毎週金曜の6限は全クラス「道徳」の授業を行っています。
教科書を用いて、それぞれの意見を大事にしながら社会生活を営む上での守るべき規準などを学んでいきます。
先週は、中2・3の生徒が6Fホールに集まって、副校長の渡辺先生による講話を聴きました。
座席を用意し、生徒同士の間を空けるだけでなく、窓も開けて換気も行っています。
この日のテーマは「拉致問題」。生徒たちが生まれる前から続く永遠の課題です。
6月5日、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表を長く務められた横田滋さんが亡くなりました。
生徒たちもそのニュースは知っていましたが、拉致問題に関しての詳細を知らない者も多く、今日の道徳の機会が設けられました。
講演の中で、拉致被害に遭い、未だ日本への帰国がかなっていない滋さんの娘であるめぐみさんの話題にもなりました。
生徒たち自身と同年代の時に被害に遭い、未来を閉ざされてしまっているままのめぐみさんに、思いを巡らせます。
生まれる前の出来事である拉致問題は決して終わった問題ではありません。
今もなお、家族の帰りを信じて待ち続けている人々がいる、深刻な問題なのです。
マスクをしていても分かるほど、その残酷さに心を痛め、しかし真剣に聞き入っている生徒たちの姿。
最後に生徒たちは、拉致問題を題材に作成されたアニメDVD「めぐみ」を視聴。
幸せだった横田家に突如襲いかかる不条理な悲劇。行方不明後の横田夫妻の絶望感。
心に迫る描写に、思わず涙してしまう生徒たちも大勢いました。
視聴後、渡辺先生が生徒たちに語りかけます。
「世の中、本当に何があるか分からない。この問題を決して過去のものにしてはいけない。そして、私たちも感謝の思いをもって一日一日を大切に生きていかなければならない」
拉致被害の解決に向けて。
その火は確実に、生徒たちへと引き継がれたと思います。